今回は早稲田大学の建築学科教授でもある古谷誠章氏の講演会の記事について書きたいと思います。
【建築散歩】古谷誠章の講演にて〜図書館などの作品を紹介〜LIVING WITH SURROUNDINGSについて
今回のタイトルはLIVING WITH SURROUNDINGSだそうです。
これは常に私たちは何かに囲まれて共に生活をしている。
それらに気づき、「建築は人と出会うための場所」という意味が込められているそうです。
古谷氏に大きく影響を与えたものにモンゴルのゲルが挙げられていました。

この中はワンルームであるため、プライバシーの保護などありません。その反対にゲルから出ると誰もいない草原が広がっている。
ちなみにゲルは夏も冬も一緒のもので過ごしますが、夏は屋根の上を開けて風を通し、冬は断熱材を巻いて屋根を閉じて、過ごしていると解説していました。
その他にもゲルでの生活を詳細に話していました。
沖縄の家

古谷氏は沖縄の家についても書いていました。
沖縄の住宅は頻繁に来る台風に備えて鉄筋コンクリートが多いですが、昔は木造もあったため、頑丈な塀や防風林を活用していたそうです。
パッシブな建築要素に着目されていることが分かります。
建築もまた囲まれている
モンゴルのゲルや沖縄の家についても、断熱材を巻くことや、沖縄の家の防風林など色々なものに囲まれてることに着目しています。
さらに、これらには人が集まるような要素があるそうです。
古谷氏が撮影した沖縄の家には人間だけでなく、猫さえも気持ち良さそうに寝ていました。建築というモノで人のネットワークはできていくコトを解説していました。
それは我々が故意的に作る、もしくは自然と出来上がるものに分類することができ、後者に注目することの面白さを話していました。
小布施市町立図書館のPLOT
やはり建築家は面白いと思いました。
今まで私は住宅やインフラを手がけていたため、特に家については自由な発想よりも、予算に縛られるため柔軟なプランニングもできなくなっていました。
その時に古谷氏のスケッチを見たとき、どこか学生の時のエスキスしていた心を思い出させてくれました。

敷地ラインに対して斜めに線を引くことで、奥行きが異なり違う空間が生まれる発想でしょうか。意図的なデザインですね。
この作品もそうですが、他にも借景(隣の土地の緑に向かって開口部を設ける)をかなり勧めていました。
茅野市民館のホールの衝撃
この作品についても解説をしていて、実際にこれは行ってみたいです。
この建築はコンペで線路に大きく繋がるような計画でインパクトを与えた計画だったそうです。
それもそのようにプレゼンも話したそうです。
やはりここでも、凄腕の建築家はトークもキレッキレです。
驚いたのはこの施設のホール。なんと一部の幕を開ければ外まで見えます。

私が古谷氏が上手いと思ったのはプライバシーの少ないところで、建築に繋がりを持たせることでした。
確かに公共建築ではそこまで気にする必要はありませんが、あまりにも異空間をつなげると人は集まらない。
その仕掛けがとにかく上手い。
最後に

最後は静岡理工科大学の建築学科棟でした。
この建物は建築学生が学べる建物として設計されたそうです。
見ると構造から特徴があります。マテリアルに関しても多種多様です。
ガラス貼りの面やルーバーで閉じる面、ツリー状の鉄骨柱など見てて面白い部分がたくさんあります。ここの学生に憧れますね!
今後も建築講演やイベント等の更新もしていきます!
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